フェルメールからのラブレター展 [アート art]
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2011/08/03
- メディア: 単行本
フェルメール ――謎めいた生涯と全作品 Kadokawa Art Selection (角川文庫)
- 作者: 小林 頼子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 文庫
空海と密教美術展 [アート art]
とても混んでいる。ここまで混んでいるとは。8月上旬、NHKBSで特集が組まれていた。それ以前にもどこかのニュースかの特集で、混んでいる、と言っていたので、夏休みも終わった頃に行けば大丈夫だろうと思って行ったのが間違いだった?!
展示物は、空海ゆかりの仏像、仏画、仏典、密教仏具、書 が主。
それでも、老若男女問わず訪れている、特に女子が多いこと。パワースポット?的な?? 仏像ブーム??確かに、仏像を守る神さまにはイケメンが多い。帝釈天なんて、ほんとにかっこいい。
けれど、空海を知るには、唐に渡って、密教を識り、日本の今の仏教の礎を築いたことにあるのは確か。それ今回垣間見れたのはよかった。そして、筆の達人として知られる空海の書、ことに風信帖を目の前に見れたのは、書道をやっていた(やっている)人にとっては収穫になるのでは、思うんです。いつも書道は複製を書写することが多いので。
あれだけの数の重文級の作品、仏像が一気に見られるのはこういった展覧会の醍醐味です。両界曼荼羅も暗い中でも間近に見れたのは収穫でした。
まだまだ混んでますね。9月25日までです。
公式サイト: 空海と密教美術展
マン・レイ展 は余裕です [アート art]
国立新美術館で開催中の マン・レイ展。
会期延長も決まった オルセー美術館展の長蛇の列(2階で開催中、1階から並んでます。この間行ったときは5分も待たずに入れたけれど、中は混雑 でしたが)を尻目に、余裕の並ばず、混まず、じっくり見ることができました。昼間に行ってです。こんなに余裕なのは、森美術館で開催される展覧会を夜に行くときぐらいに。これが本当なんだと思うんですけれど。常々、そう思います。日本の展覧会って混雑しすぎているように思います。それだけ関心が高いということなのだけれど、逆に言えば、もっとその機会を増やすべきなんだということも言えます。しかし、その一方で、経営的に言えば、ななかな難しいとのことで。。。
それはそうと、今回のマン・レイ展、実は、オルセー展に負けず劣らず、充実しています。ちょこっとマン・レイ展はよくあったりしますが、今回は、写真にフォーカス。マン・レイの原点は、写真であることがよくわかります。コミュニケーション、彼の交友もそう、写真があった。これほどの作品群をゆっくりみることができるのは、なかなかないんじゃないでしょうか。そして、彼の鑑識眼、芸術を作る人としての眼は、常に写真を撮るということから始まった、ともいえそうです。Photo Pocheなどのマン・レイ写真集の写真より、実物の写真はやはりいい。雰囲気もさることながら、彼の技巧を体感できます。
オルセー展の長蛇の列を尻目に、じっくりゆっくり観たマン・レイ展。スーベニールコーナーに、レイヨグラフとか二眼レフなどなかなかおもしろいものもあるのでそれも注目。
東京新国立美術館 9月13日まで
- 作者: アレクサンダー ゲイムス
- 出版社/メーカー: 二玄社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 大型本
- 作者: マン レイ
- 出版社/メーカー: 文遊社
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
- 作者: マン・レイ
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
Man Ray (Masters of Photography Series)
- 作者: Man Ray
- 出版社/メーカー: Aperture
- 発売日: 1997/09
- メディア: ハードカバー
テート・ブリテンにて [アート art]
外を歩いていても仕方ないし、さらに風が強かったので、美術館巡り。雨の日は、美術館、博物館でじっくり鑑賞、に限る。特にロンドンは、公立の美術館、博物館は、常設展が無料なので、とても助かるし、なんと言っても、"気軽に行ける"のだ。
始めに行ったのは、
テート・ブリテン。
チューブの駅から降りて歩いていたら、同じ方向を歩くおぼさん(欧米の方)に、
"テート・ブリテンに行くにはどのように行けばいいのか"
、と尋ねられた。
いつも、どこか行けば、尋ねられる。その街と同化しているのだろうか。そんなハズはない、とは思っているのですが。。。
(パリに行けば、ノートルダムはどこか、と尋ねられ、香港に行けば、この教会はどこかと尋ねられ・・・)
私自身も少し迷い気味に(しかも、雨の中で傘を差して歩いていたら、方向がよくわからなくなってきた)歩いてた。
でも、その目の前には明らかにテート・ブリテンらしい建物があったので、
"たぶん、この建物だと思いますよ"
と答えた。(実際、その建物であった)
私の顔を見て、不安そうだったのか、「一緒に行ってみよう」ということになり、少しではあるが、二人で歩くことになった。
有名な正面玄関が見えたが、警察とパトカーがいたりして、何か不安になり、チケットカウンターのある入り口に行くことにした。(今回はそれが正解だったようだけれど)
私は、特に特別展を観ようとは思っていなかったので、無料展示のみを観ることにした。知ってのとおり、無料と言えども、日本で、東京で観るときには入場券が必要な作品ばかりである。
そして、何より展示されている作品の数である。じっくり観ている余裕などない。けれど、すべてを観たい、そんな欲望の中で回らなければならない。これは、かなり至難の業なのだ。
午前10時半からその"闘い"は始まった。
すらり、と観てしまえばできないことはないけれど、でも、じっくりみたいものもある。なにしろ、展示室がたくさある。そして、広い。それも、無料だ。
テート・ブリテンに展示されている絵画のなかで、日本でもおなじみのものは、ミレー「オフィーリア」。昨年になってしまったが、東京にもきた。
あとは、ロセッティの美女像「プロセルピナ」。まだまだ観ると、あれ、これ、と思うものがある。
そして、忘れてはいけないのが、
ターナー、コンスタブル を中心に(特に、ターナー)した英国絵画。
UKは、ターナーを初めとした、自国の作家を大事にする。テート・ブリテンでも、ナショナルギャラリーでも、コートールド美術館でも、UK作家のコーナーがある。そして、訪れる人たちに、「イギリス美術を発見させてくれる」。こんなにもUKの芸術家がいたのか。そして、フランスやスペイン、イタリア、など他のヨーロッパの作家にも負けず劣らず(という表現がよいのかどうかわからないが)、興味深い作品を残している。
その最もわかりやすいのが、ターナー。
ターナーの絵画というと、アンビバレントな画である。
そう、このターナーこそ、イギリス絵画の中で最も愛されて、尊敬されている画家なのだ。
テート・ブリテンでは、ターナー賞を設けているし、ターナーの部屋もある。
ナショナル・ギャラリーもそう。
今回は、コートールドも、ターナーの水彩画展もやっていた。
ターナーがすべて、とは思えないが、ターナーがイギリスの絵画会に与えた影響は大きいのかもしれない。
テート・モダン(日本語もあり)
コートールド美術館
ピカソ展 (サントリー美術館編) [アート art]
国立の展示内容はじっくりみていないけれど、結果的に、サントリー美術館でよかったかもしれない。
そういえば、パリに行くと、たいてい、ピカソ美術館の前までは行く。前までは、というのは、行くときに限って、閉まっている、から。
閉まっている、という状態は、いくつかあって、単に閉館していた、というのと、ストライキが近くであって、影響が及ぶから、という理由の閉館(CPEの時、学生ストが収まってから行っても、閉館していた。これって、ただ休みたいだけなんじゃないかな、と思ったり・・・)。
さてさて、サントリー美術館に着いたのが、18時40分ころ。
さすがに、人もまばらですよね。昼に行ったら大変だったと思いますが、スル〜と入れました。でも、20時までですから。そのあたりは少し急かされたり。
館内でも、ゆっくり観ることができました。やっぱり、こういういろいろと宣伝している展覧会に観に行くためには、それなりの時間に行かないと、ゆ〜っくり観ることができないなぁ、と思いますね、(次の日行った、フェルメール展で実感)
内容的には、ピカソ全般を網羅して、ていうところでしょう。彼は、大変正直に作品を創っていることがわかる、そんな展示内容です。
彼の初期は、肖像画なんかの筆致は、精緻・緻密。この精緻さ、緻密さが後のピカソの作品へと展開していくんだ、と理解することができますね。デフォルメされた対象が有名ですが、スケッチ、エッチングなんかは非常に精緻なことからも、彼の視線、そして、その先にあるカンバスに創造される(創造された)ものは、否が応でも私たちと対話を申し込んでいます。
それが、見た目、よくわからないもの、のように見えても、ピカソの作品のタイトルと作品にちりばめられたヒントによって、作品に潜む主体を私たちは想像させられる。
すでに、この時点で、私たちはピカソの意図の中、頭の周縁にいる。
わけがわからないからこそ、そこに何かがある。現代美術の旗手としてあまりに有名なピカソの創造したモノを、私たちは体感する。
パリのピカソ美術館が閉館中に貸し出された今回の大ピカソ展、ピカソと対話する価値はある。
ピカソ展 総合
サントリー美術館・ピカソ展
ダ・ヴィンチ・コード展 in MORI Art Museum,Roppongihills [アート art]
いよいよ世界的なヒット作となったダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』が5月20日、世界一斉に上映されます。それに先駆けて、六本木ヒルズ森タワー森美術館で、『ダ・ヴィンチコード展』が開催されています。
ほぼデジタルミュージアムで、映画で使用されたクリプティクスも展示されています。デジタルミュージアムのほうは、銀座のソニービルでも同じような展示をやっているので、そちらもいい。最も見たかったのは、クリプティクスのほう。小説は、映画化されるってことで、文庫版を待っていたのですが、なかなか出ず、単行本を昨年11月に購入、読み終えました。公開が近づいてくると、やっぱり「文庫版」が・・・・。3冊にするか、単行本上下2冊にするか、悩みどころですが、文庫本はランキング1位ということで、人気の高さと文庫版を待っていた人が多かった?のと、公開間近であることが重なってのことだと思います。
ということで、森美術館、厳密にいうなら、森アートセンターです(入場料が別にかかります)。連休中ということもありましたが、人人人。もちろん、となりの『ベルリン東京展』も、東京シティビューもにぎわっておりましたが、別料金で高いにもかかわらず、こちら『ダ・ヴィンチコード展』も盛況!でした。まあ、GWですからね。
こちらとしては、あの「クリプティクス」なるものが見たかったので、ほぼそれが目当てで、あとは、原寸大のデジタル「最後の晩餐」ですね。
実際は、、、、
「クリプティクス」。おお、なるほど、これが、クリプティクスか!!これが割れると中の紙が溶けるんだなぁ、なんて思いながら、実際映画で使用したものもあったので、劇場で観るときは、心してみないといけません。
で、次のお楽しみの「最後の晩餐」。プロジェクタで投影された「最後の晩餐」なのですが、説明付きなので、入場制限(上映時間)があるというなんだか変な展示。工夫を凝らしたつもりでも、原寸大「最後の晩餐」だけ楽しみにしていたのに、、、。「ダ・ヴィンチコード」で解かれている暗号の説明も付いているとは・・・・。これは、実際、見に行けってことですか・・・!!
イタリア行ってやる!っとこのときばかりは思いました。
映画「ダ・ヴィンチコード」のほうは、あまり評判がよくないようですけれど。
↓ダ・ヴィンチコード関係の本、、、いろいろありますね。
「ダ・ヴィンチ・コード」 謎を解く旅への招待 --ラングドン、ソフィーと巡るパリ・ロンドン
- 作者: ダン・ブラウン
- 出版社/メーカー: ゴマブックス
- 発売日: 2006/04/14
- メディア: 単行本
モダンアートの楽しみ方 [アート art]
ダンアート,現代美術については,好き嫌いが多いように思います。嫌い,あるいは,展覧会に行かない理由の一つに,「わからない」というのがあるように思う。見てもわからない,それが一つの理由。そんなことがあるのではないだろうか。
そこで一つ提案したい。「わからない,でいいんだと」。つまり,わからないからこそ,現代美術が存在するのだと。
それまでの,とくに日本人に人気があるフランス印象派の作品。日常を描き,そして,彩色は概ねキレイ。だから,わかりやすい。理解しやすい。作者の意図が何も考えず伝わってくる。それに対して,現代美術は,わかりにくい。抽象的。イイ言葉です。わからないモノに対してつく言葉。「抽象的」。それは,実は,作者と観る人との間のコミュニケーションでもあるわけです。わからない。そして,それについて,「なんだ,これは?」「何を作ろうとしたんだ,この作者は」「作品名から,全く想像できない」と思う,考えるようになる。そこに作者が狙った意図があります。作者と観る人との間に生まれる,作品を通してのコミュニケーションこそが,現代美術であるのではないかと思います。最近,メディアアートが流行っていて,そこにいくと,映像や音声などが複合して私たち観る人に降りかかってきます。驚きやどうなっているのだろう,と考える,,etc。作者の伝えたかった意図・意志を考える,それこそ,現代美術が作者と私たちに課したコミュニケーションの創造なのだと思います。