Les Miserables レ・ミゼラブル [映画 le cinema]
レ・ミゼラブル 通称,レミゼ。帝劇で上演されるあれである。しかし,今回は,映画。ついに映画になってしまったか。ミュージカル映画,ここ最近,ヨーロッパ制作モノは非常によいでき,だと思う。逆に,アメリカの制作会社制作のものは,どうも・・・。今回のレミゼ。レミゼの誕生の地のイギリス制作。
舞台のレミゼを知っているとあれも,これも,の音楽とフレーズがでてきて楽しい。帝劇レミゼは帝劇レミゼでその雰囲気はある。けれど,映画のレミゼもしっかり作っている。手抜きしていない。はじめて見るとかミュージカルのレミゼでいまいちよくわからなくて何回も通ったという場合も,この映画を見れば足りる。それだけしっかりと脚本がたてられ,ミュージカルがされ,それでいて,ミュージカル以上にレミゼである。それは,映画であるという特権とも言える。バリケードが小さい気もしないでもない。確かに,帝劇レミゼを見てしまっているとある程度大がかりなものを想像してしまうけれど,本来,あのくらいなんだろう。それにしても,慈愛によって再生したジャンバルジャンの物語は,コゼットら次の世代に受け継がれていく様子は,舞台以上に表現されている。他にものっけから牢獄時代の船もそうだし,パリの街並み,などなどやはり舞台では表現できない,しきれないところは映画の力。これだけでも観る価値あり。それに答えるだけの俳優陣の歌も負けてはいなかった。確か,オーディションも歌重視だったそうな。ヒュージャックマンのジャン・バルジャン,ラッセル・クロウのジャベールもいいし,ファンテーヌのアン・ハサウェイも薄幸の女性を痛いほど演じていた。最後のジャン・バルジャンが召されていく時に登場する様も効果的。コゼットさることながら,一番はエポニーヌだったかもしれない。一番惹かれました。愛と勇気の物語,レ・ミゼラブル。最後にぽろっと来てしまう,この作品の魔力です。
コメント 0