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エヴァは成長する 新劇場版エヴァンゲリヲン:Q [映画 le cinema]

 新世紀エヴァンゲリオンがはじめてテレビに登場したのが,1995年,その続編たる劇場版が1997年-1998年。その後,劇場版の新作としてエヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年),破(2009年),そして,今回のQ(2012年)である。新世紀エヴァンゲリオンをリアルタイムで観ていた人たちもいい大人である。だって,テレビ版から17年経過しているのだから。
 そんな中,今回のエヴァは,これまでの「時間の止まったエヴァの世界」から抜け出してくれた。いつまで経っても,2015年のまま。現実社会をみれば,もうすぐそこ。進化しない方がおかしい。2015年の初号機によるサードインパクトから14年経っている今回。国連組織ネルフはもうなく,碇ゲンドウの願いを叶えるための組織(表面的にはゼーレではあるが)と化し,ミサト,リツコをはじめとしたネルフに属していた人たちは,ネルフを倒すことを目的としたヴィレに属している。2015年から14年経過しているのだから,彼女らも40代である。
 そんな中,全く変わらないのが,碇シンジ。14年間眠っていたのだから。仕組まれた子どもたちも,体型が変わらない=永遠の14歳。
 この映画の冒頭に出てくる音楽と空浮く戦艦などなどは,「不思議の海のナディア」からインスパイアせれている。ネモ艦長の声(=大塚明夫さん)も出てくるし。後半は渚カヲルが出てくるが,初号機がトリガーとなったサードインパクトの様,これは,この映画と同時に上映される,「巨神兵,東京にあらわる」そのもの。だから,決して夏に開催されていた展覧会を見れなかった人たちのための同時上映ではないのだ。
我々,少なくともエヴァを観る人たちは,2015年の碇シンジら永遠の14歳と永遠のミサトらネルフ職員の姿に幻想を見ていた。アニメだから時間空間は別にどうでもよいだが,実際,エヴァが開いたアニメ市場のエヴァは,これまで“永遠の2015年の出来事”であった。そして,序・破まではそれでよかった。導入だから,今回の2015年から14年経過したQから最後の“I”は,もっと庵野監督のこれまでの仕事の凝縮体になるかもしれない。
 エヴァンゲリヲンという物語は今回のQで14年の月日が経過した。しかし,パイロットたちは成長しなかった。それは,彼ら=エヴァファンへの警鐘でもあろう。エヴァファンは永遠の14歳(あるいはそれ以外のキャラクター)の幻想を追い求めている。それは確実に時が止まっている。実生活実社会は,1秒1分1時間1日時は経るもの。君たちも14歳以上年取ったでしょ。だから成長せよ,前を見よ,現実を生きよ,との庵野秀明からの警鐘と捉え,次回の終幕に期待したいのです。
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